

Q:これまでの歩み、特に地理学と自転車の関わりについてお聞かせください。
地理学との出会いのきっかけは、高校卒業後東京のお寺の養子となり、その関係で駒大には最初仏教学部禅学科に入学しました。しかし、思うところがあって三日坊主ならぬ三ヶ月でお寺を飛び出し、二年の時に小学校・高校時代の先生の影響もあって教員を目指すため、文学部地理歴史学科地理学専攻に転部・科しました。地理学を志したのは現場を見て教える事が出来ること、本の中より実際を経験し伝える事ができるからでした。そのこともあって学生時代は日本一周自転車の旅と富士山頂自転車登山、教職員になってからは6大陸、退職後の南極大陸を加えた7大陸を旅するまでになりました。
桐生高校野球部OB斎藤選手(兄)と弟のハンカチ王子こと斎藤投手と会食(平成19年正月)
大学院在学中にはアイスランド学術調査に団長として参加、氷河上の希少現象であるダートコーンを再発見しました。
教師への道は、小学校・高校の恩師を目標とし、群馬県立6高校の教諭、教頭、校長及び県教育委員会を経て平成16年桐生高校校長で退職。現在は太田情報商科専門学校・太田自動車整備専門学校の学校長および駒澤大学文学部地理学科非常勤講師です。
日本一周の旅:鳥取砂丘にて
自転車との出会いは、それまで中学、高校と柔道の稽古に明け暮れていたのですが、高校三年の時に県大会で優勝後、全国大会予選において不合理な判定で無念にも敗退したのをきっかけに、審判が必要なく、自分の体力と気力で、倒れるまで自力で挑戦できる自転車の旅を思いついたのが最初です。最初は房総半島一周の旅から始まり、地理への興味とともに日本一周自転車の旅へと大きく膨らんでいきました。自転車での最大の思い出は大学4年の時に実行した富士山頂自転車登山でしたが、これらの経験がその後の基礎ともいえる「どろよけ人生」を形作ったと言えます。
Q:駒大生時代における自転車部創立のエピソード等お聞かせください。
自転車部室、設立記念
看板は本人直筆
地理専攻生なった大学二年生の時に、四国一周自転車の旅を行い、その見聞について「四国の産業と観光」と銘打ち発表会を行いました。発表後に地理学科一年の我妻佑一君から自転車部創立の話を持ちかけられ、熟考の末に自転車部創立に取り組み初代主将となりました。
最初に集まったメンバーは4名だったので、大学に承認してもらうには人数が足りず友人に声を掛けて、飯島武次(現駒大教授:駒大考古学研究会を創設)、小山恭平(漫画家:駒大漫画研究会を創設)、山根宗範(鳥取県景福寺住職)、木村英照(現駒大図書館福館長)らに名前を貸してもらいました。愛好会からのスタートではありましたが、私が学友会の監査委員長を務めていた事も影響したのか、その後順調に活動を拡大し、通常3〜4年はかかる部への昇格が、わずか1年半で体育会自転車部へ昇格したのでした。その手際があまりにも良かったので、監査委員長が部に昇格する早道と勘違いする後輩も現れました。
Q:自転車をやっていてよかったことをお聞かせください。
駒大3年の時に東日本一周の旅に出たのですが、最終日に駒大の終点に到着する前に埼玉県庁に立寄った後タイヤがパンクし、そのため到着時間が大幅に遅れてしまいました。出迎えは身内数人であろうと高をくくっていたのですが正門前の道で待っていた後輩が声を掛けると、正門の方から歓声が起こりました。たどり着くとなんと、小川達道先生(自転車部長・当時の駒大総務部長)をはじめ部員、友人総勢30名以上の人達が大歓迎で出迎えてくれたのです。中には退部した者もいたので驚くと共に嬉しかった。大勢の人達に祝福していただき、大変感激した想い出は今も鮮明に覚えています。
また、富士山頂自転車登山後、NHKに呼ばれて、その人気番組「私の秘密」に出演し、出演者の漫画家・加藤芳郎、雑学者・渡辺紳一郎、詩人・藤浦洸、作法家・塩月弥栄子らの色紙は大事な宝物です。
Q:ご自身にとって地理学(自転車)とは、その魅力についてお聞かせください
地理学、自転車どちらにも言える事ですが、「点と線と面」3つの側面があります。旅に例えると「点」は飛行機の旅で目的地以外の途中の行程はわかりません。「線」は列車や自動車・オートバイ・自転車などの旅で、路線上であればいろいろなことを知ることが可能です。「面」は一定の地域をあちこち動き回る旅で、時間はかかりますが、その他の制限を受けず随所で見聞することが可能です。したがって「面」を実行するには難しいので、「線」の中で最も遅い、地に足の着いた旅として「自転車」が最も魅力的と言えます。「しっかり見られる旅“本物に接する事が出来る旅”」が地理学には必要と考えています。
自転車の旅は時間と距離と速度のごまかしがきかない、生身の体で感じる事が出来る乗り物の一つです。
Q:最後に同窓生のみなさんに向けての直筆コメントをお願いします。








